最初に
ここでは浮遊細胞ストックの融解方法を記載していきます。
必要な培地、試薬
- 培地(RPMI-1640 + 10%FBS + 1%P/Sもしくは、RPMI-1640 + 10%FBS + 1%P/S + G-CSF, 「培地の調製」で調製したもの)
- 70%エタノール
- トリパンブルー溶液
必要な機器
- ウォーターバス
- クリーンベンチ
- ピペットマン(P-1000、P-20もしくはP-10)
- チップ(1 mL、200 µL)
- 遠沈管(15 mL)
- 遠心分離機
- 培地吸引機
- 1.5 mLチューブ
- 血球計算盤またはセルカウンター
- ピペッター(電動を推奨)
- ピペット(10 mL用)
- T75フラスコ
- 油性ペン
- 倒立顕微鏡
- インキュベータ
プロトコル
- ウォーターバスを37℃に設定し、培地を温めて、クリーンベンチ内にいれておく。
- 液体窒素、-80℃冷凍庫から細胞ストックを持ってくる。
- ストック容器を持ちながらすぐに1.で37℃に設定したウォーターバスで1分間温める。
ポイント
少し氷が解け残っている状態で取り出す。 - 70%エタノールでストック容器を拭き、クリーンベンチ内に入れる。
-
ストック容器を開け、1.で温めておいた1 mLの培地を上からかけて混和する。
ポイント
1 mL入らない場合は、できる限り加える。 - 15 mLの遠沈管に全量移す。
- 培地を1 mL取り、細胞が入っていたストック容器に添加し、壁に残った液を回収し、6.の遠沈管に上から添加する。
- もう一度、培地を1 mL取り、細胞が入っていたストック容器に添加し、壁に残った液を回収し、6.の遠沈管に上から添加する。
- 細胞を回収した7.の遠沈管に培地を更に加え、5 mLにメスアップする。
- 遠心分離(200 x g, 5分もしくは1500 rpm, 3分)
- 遠心後、沈殿を確認し、上清を捨てる。
- 1 mLの培地を添加し、ピペッティングで細胞懸濁液を作る。
- 10 µLの10.で作成した細胞懸濁液を1.5 mLチューブに移し、10 µLのトリパンブルー染色液と混和する。
- 血球計算盤、もしくはセルカウンターで細胞数をカウントする。
- 10.で作成した細胞懸濁液をT75 フラスコに入れ、10 mLの培地を上から加える。
- フラスコの上面に油性ペンで「日付、継代数(ここではP=1)、名前、細胞名」を記載する。
- 倒立顕微鏡で細胞を確認する。
- インキュベータにフラスコを移して培養する。
- 翌日、細胞を確認する。
注意ポイント 翌日の観察で多くの細胞が接着していない場合、1)ストックの状態が悪い、2)培地が悪い可能性があります。 その場合、別ロットのストックを融解し直して下さい。それでも、解決されない場合は培地を作り直して下さい。